漁港の町「琴浦」で始めた醤油づくり

桶谷醤油合名会社

 鳥取県の中部、琴浦町で醤油を造りはじめたのは明治38年です。創業者とその母親が美保関から琴浦町へ来て、桶谷商店を開いたのがはじまりです。
 琴浦町は海が近く、漁業が盛んです。魚といえば煮物・刺身という食文化もあり、醤油造りをはじめたのだと思います。

美しい卵かけご飯 卵・ごはん・大好き!

 とりそらたかくでご紹介しているのは『卵かけごはんがおいしくなる醤油。卵 ごはん 大好き!』です。卵かけごはん用の醤油は黒っぽいものが多く、ごはんの白さと卵の黄色を、醤油が濁してしまうのはもったいないと感じました。
 この商品は醤油でありながら、透明度の高さが特徴です。
 元々うちの「うすくちしょうゆ」は黄金色で透明度があり、全国的にも有名な牛骨ラーメンの「香味徳」さんにお使いいただいています。
 この「うすくちしょうゆ」を使って、卵かけごはん用の醤油を造ったら、キレイな「卵かけごはん用の醤油」ができるのでは?と考えました。

 「うすくちしょうゆ」をベースに、卵に合う出汁を加えていますが「うすくちしょうゆ」と「出汁」のバランスに苦労しました。色や透明感にこだわっていますが、味も妥協していません。
 クドくならないように、甘すぎないように、見極めるのが難しく、試行錯誤が続きました。
 ある時、商工会が主催する「逸品まつり」に出品したところ、お客様から好評いただき、商品が完成に近づいたと実感できました。
 商品は徐々に広がっていき、取扱店も増えています。鳥取市の美容室アトリエシャルムさんや鶏卵販売のイブキさんをはじめ、お土産屋さんなどでも取り扱っていただいています。

 

ここだけのお話

 当初の商品名は「玉卵(たまらん)」で、ダジャレのような商品名でした(笑)。
 その後、ちゃんとした商品名にしなければと考えていた時、商工会のセミナーに参加し「長くてもいいから、わかりやすい商品名を」とアドバイスをいただきました。
 「じゃあ、そのまま書いてしまおう!」と思い『たまごかけごはんがおいしくなるしょうゆ』が誕生しました。

直接感じたお客様の声

 実は、鳥取大丸さんがリニューアルで休業された時、思い出深い出来事がありました。
 お客様から電話があり「鳥取大丸さんがお休みで『たまごかけごはんがおいしくなるしょうゆ』が購入できない、朝ごはんが成り立たない。」とのことでした。
 なんとか購入したいということで、その時は直送販売させていただきました。
 「切望しているお客様がいる」「一から作っている商品が、お客様に受け入れられている。」
 作り手にとってこんなに嬉しいことはありません。私たちの商売は、お店の方と話すことはあっても、お客様が購入されるところを直接見ることはありません。お客様の声が聞けたことは、涙が出るほど嬉しかったです。

こだわりのある商品を作り続けたい

 新しいラベルになり、見た目も素晴らしい商品になりましたので、販路も含めて拡大していきたいと考えています。
 しかし、卵かけごはん用の醤油は、各社から販売されていて飽和状態です。
 「卵かけごはん用」に縛られることなく、だし巻き卵や煮物など幅広い用途を提案していきたいと思います。インターネットやSNSを活用して、使い方の提案はもちろん、レシピ動画の配信などもやってみたいです。
 醤油と出汁の調合からラベル貼りまで、自分だけでやっていて、この部分は今後も変えたくないです。多くは造れませんが、手造りにもこだわっていきたいです。

会社名 桶谷醤油合名会社


所在地 鳥取県東伯郡琴浦町大字赤碕1679


担当者 代表 桶谷 充


創業 明治38年


連絡先 0858-55-0807