鳥取県生まれのブランド米「星空舞」を米粉にし、アレルゲンフリーのスイーツにアレンジ。
米の消費拡大による農業振興、フードロス問題にも取り組みつつ、鳥取の食にエンターテイメントを提供します!
「チュロロ’710(ナナイチマル)」は、米粉のチュロス専門店です。2022年12月13日、倉吉市山根のショッピングモール、パープルタウン内にオープンしました。
私は神奈川県の出身で、東日本大震災を機に倉吉に家族と移住しました。
それまで大手飲食店に勤めていて、全国チェーン店の店づくりなどをしてきました。移住後は百貨店で大山ハムの催事を請け負ったり、米子や倉吉で地ビール・地酒を集めたフェスタの企画・運営に携わりました。
2019年7月10日には、倉吉パークスクエア(倉吉市駄経寺町)の「グリルダイバーnut'710」をオープンしました。本格的な炭火焼き料理店です。
鳥取産の肉を提供する焼肉店は何店もあるため、あえて松阪牛や飛騨牛、海外牛などをお出ししています。
そうしたなか、あまり世の中にないものをつくりたいと思い、始めたのがチュロスです。
一般的な材料は小麦粉ですが、当店のチュロスは米粉100%。完全なグルテンフリーで、小麦粉と卵を一切使用していません。開店以来、想像以上の反響をいただいています。
また、岡山市のジェラート店「ジェニーノ」のジェラートも取り扱っています。「ジェニーノ」でも、当店のチュロスを販売いただいています。
そのほか、キッチンカーで催事に出向くこともあります。
ちなみに店名の「710」はナット、つまりネジのことです。1本の柱も、最後のひと締めが肝心。その「締める力」を持ちたくて、響きをアレンジした「710」を店名に入れています。本当は納豆が好きだから…というのは内緒です(笑)。
初めて当店の米粉チュロスを召し上がった方は、みなさんが驚かれます。ご存知のチュロスのイメージを覆すようです。
ザクザクとして香ばしく、中はモチモチで米本来の甘さが広がります。揚げたてのアツアツはもちろんおいしいですが、冷めてからも食感が保たれるので、お土産にたくさん持ち帰られるお客さまもいらっしゃいます。
米は、鳥取県生まれのブランド米「星空舞」を使っています。県の推奨もありましたし、せっかく鳥取に来たので、何かを形に残したかったのです。
結果的に、他県の米と比べても、星空舞が一番モッチリ感が出てチュロスに合っていました。星空舞の美味しさをしっかりと味わえます。
フレーバーは、オリジナルシュガー(和三盆使用)、きなこ、抹茶、チョコレートなど常時10種類ほどです。今後、季節のフルーツや県の特産物を生かしたフレーバーを用意する予定です。
ですが、「米粉の甘味を楽しみたい」と、あえてプレーンで召し上がる方も少なくありません。
お客さまからは「遊園地で食べたチュロスと全然違う!」「アレルギーの子どもも安心して食べられる」など、喜びの声をいただいています。
若いお客さまがメインになると予想していましたが、年配者の方、男性のお客さまも増えています。
小さなお子さまも食べきれる量を考えて、長さは25cmに設定しました。ご家庭で、あるいは外食の際に、ご飯の代わりにもなると思います。
そんな風に、日常生活のなかに普通にある存在になれたらと願っています。
映画鑑賞のお伴にもぜひお持ちください。当店のチュロスは、パープルタウン内の映画館への持ち込みができます。
映画作品や歳時記をテーマにしたフレーバー、デザインもお出しする予定です。
学割もあります!
実は当初、新商品には米粉パンを検討しました。しかしパン店の経営者に、100%米粉で作るのは難しいと言われました。米粉パンの安定生産には、小麦グルテンの添加が必要とのことでした。
いま、小麦アレルギーを持つ人が増えています。卵アレルギーの人も多い。そういったアレルギーを持つ方にも食べていただける、完全なグルテンフリー、アレルゲンフリーものを提供したいと思いました。
そこで、小麦粉でつくった経験があるチュロスに、米粉で挑戦しました。
ところが、小麦粉を米粉に置き換えれば済むほど単純ではありませんでした。米の産地や生産者によって、粉にしたときの特性が変わるのです。
一番苦労したのは水分量。新米を使ったときは揚げる途中で生地が爆発しました。爆発しなくても気泡が入ったり、思う仕上がりにならない場合も多々ありました。
半年以上研究を重ね、ようやく米粉の品質を安定させる方法を見出しました。
私はこの米粉チュロスに、星空舞の供給量が増えるのを願っています。
星空舞は価格はやや高めですが、高いなりの価値があります。私は米粉としての商品化を進め、少しでも多く口に運んでいただきたいのです。
そこで考えているのが、米粉の販売です。
米粉は、商品に合わせた調整が必要だと今回気付きました。いまチュロスを作っている米粉でクッキーをつくっても、美味しくできません。これは米粉全体の課題です。
私はチュロス用米粉を開発したノウハウを生かし、クッキー、麵、唐揚げなど、それぞれの用途に適した米粉をつくって提供するつもりです。
稲作農家とも手を携えて、星空舞や米粉の消費拡大に繋げたいと思います。
米粉はいまや、小麦粉とそれほど価格が変わりません。また、小麦粉に比べて長く品質を維持できるというメリットもあります。
チュロスの場合は、生地を冷凍すると半年は保ちます。フードロスはほぼありません。
2023年、冷凍食品工場を建設します。冷凍技術はお客さまが望む時に食べたいものを提供できたり、フードロスをなくせたりと、大きな利点をもたらします。
新たに米粉クレープを発売しますが、今後、開発商品は菓子類にとどまらないでしょう。
私は長く飲食業に携わっていますが、やはりお客さまが美味しいと喜んでくださるのが何よりも楽しい。
飲食業は、お客さまが飽きずに、常に喜びを味わっていただけるエンターテイメントであるべきだと思っています。
飲食店のアミューズメントパークになりたい。これが私の次の目標です。
とっとり中部発信プロジェクト
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